パリ20区(Bd. de Ménilmontant)のブロカント

4月7日に行った、パリ20区のブロカント。

Ménilmontant大通りはけっこう長い。通り沿いのメトロ3駅のうち、どこで降りるべきかいつも悩む… 適当に1番東側の駅で降りたら、ドンピシャだった。

銀メッキ製のスープ用スプーンを2本。
先が鋭利で匙部分に深さのある、クラシックなスタイルのスプーンを1年ほど探していた。とうとう見つけられて満足。古い器にはやっぱり、古い銀色のカトラリーが似合う。

 

20区を見終わり、もう1カ所行ってみようと、12区へ移動。
会場のLachambeaudie広場に着くと、なんとスタンド数4つ?!
折しも復活祭の休暇中、付近の住民はみんな旅行に行ってしまったのか… 絵本や子供服を並べる4スタンドの様子が寒々しい、こういうこともあるんだな。

 

その日の夕食はカレーライス、さっそく昼間に購入したスプーンを使ってみたら、非常に食べにくい、やっぱりね。
匙部分が深いので、本来の用途の「スープを食べるため」だけに使うのが正しいのか。

そういえば太宰治の「斜陽」の冒頭部分、主人公の母親のスープの食べ方の描写に心惹かれるのだが、このスプーンを使えば、自然にあのような食べ方になると思う。

…スウプのいただきかたにしても、私たちなら、お皿の上にすこしうつむき、さうしてスプウンを横に持ってスウプを掬ひ、スプウンを横にしたまま口元に運んでいただくのだけれども、お母さまは左手のお指を軽くテーブルの縁にかけて、上体をかがめる事も無く、お顔をしゃんと挙げて、お皿をろくに見もせずスプウンを横にしてさっと掬って、それから、燕のやうに、とでも形容したゐに軽く鮮やかにスプウンをお口と直角になるやうに持ち運んで、スプウンの尖端から、スウプをお唇のあひだに流し込むのである。さうして、無心さうにあちこち傍見などなさりながら、ひらりひらりと、まるで小さな翼のやうにスプウンをあつかひ、スウプを一滴もおこぼしになる事も無いし、吸う音もお皿の音も、ちっともお立てにならぬのだ…(太宰治『斜陽』より)