パリ7区(Ecole Militaire)のブロカント | 2015/09

約4年ぶりの訪問だった、7区のブロカント
以前はよくMarie-Anne Cantinのバターを買いに来ていた、シックな7区なのにどこか庶民的な雰囲気があって、好きな商店街沿いである。

何度か買い物をしている、趣味の良い男性のスタンドを見かけたので中へ。「この前はパリ3区でサヴォアの農家のベンチを買ったよ」と言うと、すぐに思い出してくれた(ところで、改めて名前を訊いたら「ティエリー」では無かった。ベンチを抱えた私たちに声をかけてきた女性の件を話したら、別の誰かと勘違いしたのではないか、と)。

古いタイルのカタログ3点を購入。けっこうなお値段なので、いったん離れて他のスタンドも見た挙げ句にやっぱり戻って来て、さらに時間をかけて迷いに迷って、選べずに全部買った。どれも素晴らしくて、外せなかった。

手前にあるのは、ロワール地方のタイル&モザイクメーカーの、3つ折りリーフレット。表紙の女性の横顔が、当時大流行したミュシャの画風に似ているのだが、枠のデザインはナポレオン3世様式だったりして、ちょうど流行の過渡期にあったことがうかがえる。書体の選択も扱いも興味深くて、見ていて飽きない。

メタリックな水色の横長の表紙の冊子は、パリの内装デザイン事務所(またはタイル販売代理店)が発行していたと思しき、カタログ(メーカー自身のカタログではないようだ)。当時すでに、メタリック印刷の技術があったことに驚く。書体も枠デザインもアール・ヌーヴォー。10分の1縮尺で、行儀よくずらりと並ぶタイルデザインは、圧巻。

こういうタイル張りのパン屋とか総菜屋、今でもあるある!

パリ7区にあった、友人の元ブティックの床タイルと同じデザインを見つけて喜んでいたら、「これは当時、肉屋の床によく使われたデザイン」と説明してくれた。肉屋だった店舗を買い取ったと友人から聞いて知っていたので、驚かない。

最後の2ページは枠だけ印刷してあって、新作デザインを別紙で貼りつけてある。

そして、この記事の最初の画像の上方に写る、A6強サイズのカラフルな表紙の冊子は、1903年発行のロワール地方のメーカーのカタログ。屋根瓦とタイルを請け負う企業なので、前半部分には各製品の1個あたりのサイズや、組み立て時の構造図が続く。


こうして比べると、パリのカタログと地方のカタログで、意匠の雰囲気が微妙に違っていて、面白い。