Manufranceのカタログ

カタログ通販というものは、いつから始まったのか。
好奇心から調べていたら、1930年発行の通販カタログをeBayで発見!

元はもっと厚いカタログだったのを、カテゴリーごとに分解して、製本しなおされている状態のよう。

左側が「文房具と事務用機器(1925年発行)」、右側が「インテリアと家電製品(1930年発行)」。

このManufrance(マニュフランス)という企業の母体は、1885年創業。
フランスから贈られた自由の女神像がニューヨーク港に到着し、宇都宮駅で日本初の駅弁が販売された年、1885年。

もともとは猟銃や狩猟用品を売るカタログなので、商品カテゴリーに直接関係のない猟銃の広告が挟まれていたり、猟犬のミニ図解ページがあったりする。

「インテリアと家電製品」カテゴリーの、台所用品のページ。
蚤の市でもめったに見かけないような、不思議な道具がたくさんある。

しかも、手描きのイラストの版だ。
デザイナーの膨大な仕事量を思うと、気が遠くなる。

これは「文房具と事務用機器」カテゴリーの、スタンプのページ。

日付けスタンプの例が「1903年11月26日」や「1904年4月9日」なあたり、時代を感じる。

黒い無骨なタイプライターとか、デッサン用の画用紙とか、美しいペン先なんかのページもあって、見ていて全く飽きない。

中でもタイプライターはおすすめ商品らしく、「商人は、タイプライターを持ってしかるべき。商人は、「TYPO(掲載されているタイプライターの商品名)」を持ってしかるべき!」なんていうコピーとともに、先頭ページにどーんと掲載。

商品イラストとは別に、工場のような空間に何百人という女性たちが整然と並んでタイプライターを打つ「補足的な状況説明」のイメージもあって、なかなか面白い。

1930年と言えば世界恐慌の直後だ。このカタログからは不景気の様子が今ひとつ感じられないなと思ったら、フランスが恐慌の影響を受け始めたのは、1931年以降だったらしい。

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